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【平成の阿部定】局部切断事件、妻は何の罪にも問われないの?

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最近のニュースで気になったものをいくつかピックアップ。
それに関する法律を復習しよう。

というコンセプトで記事を書いてみます。
うまくまとめられるかなぁ?

第一回目は、古い事件ですが、何かと話題な「局部切断事件」。

では、はじめます(12月3日11時start)。

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局部切断事件

事件の概要

元プロボクサーで法科大学院生の小番一騎(こつがい・いっき)容疑者(以下、「甲」という。24歳)が、弁護士男性(以下、「V」という。42歳)を何度も殴ったうえ、刃渡り6センチの枝切りばさみで局部を切断してトイレに流した事件。

甲の妻(以下、「妻」という。)は、事件の際にその様を傍で見守っていたという。


Vの陰茎は1センチしか残っておらず、事件後病院へ搬送され緊急手術をしたが、小便器での排尿は困難で、生殖機能は完全に失われたとされる。

甲は、妻が「Vに強姦された」と虚偽の供述をしたことにより激怒し、犯行に及んだものだった。
なお、後述するように、妻とVは職場内で不倫関係にあり、強姦の事実はなかった。

事案の特殊性

簡単にまとめると、
・『妻を思うあまりの義憤に駆られた犯行』として、情状酌量の余地がありそうな特殊性
・妻の罪責が問題になりそうな特殊性
があります。

時間のある方は読んでみると面白いかも。

小番被告が凶器の枝切りばさみと包丁を購入した時、妻は「殺さないよね?」と尋ね、現場では被告の切断現場をただ見守っていたという。

検察側によると、昨年5月に被害者の男性の弁護士事務所で働き始めた被告の妻(以下、妻)は、半年余りで社内不倫に落ちた。妻子ある男性とのW不倫。昨年末に初めて肉体関係を持った妻は、嫌がるそぶりは見せなかった。
今年に入ると、2人の関係は一気にはじけた。配偶者には見せないであろうコスプレを堪能。場所は決まってカラオケ店。学園もののコスチュームを好み、セーラー服やブルマをはき、楽しそうに歌い、そして体を重ねた。
約7か月の間に少なくとも6回の「性交」を重ねたが、許されざる関係は長くは続かなかった。7月、2人で高尾山に行ったのを境に、徐々に妻が男性を避けるように。不倫を清算し“元サヤ”に戻ろうとしたが男性に引き留められた。
困った妻は8月に入ると、夫の小番被告に「セクハラ被害を受けた」と相談し、(男性に)2回肉体関係を強要されたなどと“ウソ”の告白。妻のW不倫に気付いていなかった被告は激高した。
同月13日朝、小番被告は妻を連れ、犯行に及んだ。男性が「無理やりしてない」と答えると、被告は突然殴打し失神させ、局部を切断した。男性が意識を取り戻し、真っ赤になった股間を見て「ここどこ? なんで血出ているの」と錯乱状態で叫ぶと、被告は「強姦したからです」と言い放ち、笑い声をあげた。妻は夫の凶行をただ、見守っていたという。
検察側は「妻が弁護士から無理やり性的関係を迫られたと、被告が思い込んだことが犯行のきっかけだった」と主張した。

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法律上の問題の所在

甲には何罪が成立するのか

この行為は、Vの生理的機能を害する行為といえるため、傷害罪(刑法204条)が成立するのは明らかである。
では、殺人未遂罪(199条、203条)は成立しないか。

「重大な傷害を負わせたわけですが、腹などを刺したのならともかく、局部の切断をもって殺人未遂に問うことは難しいでしょう。傷害罪の上限は15年ですが、前例のないケースでもあり、結果が重大であることを考慮しても3~5年ぐらいの判決が予想されます。
 民事の損害賠償としては、職務の稼働能力に直接影響する障害ではないので逸失利益は認められにくく、700万~900万円程度の慰謝料額と思われます」(弁護士で琉球大学法科大学院教授の北河隆之氏)

刃渡り6センチですし、局部を切断することによって人が死ぬとはなかなか考えづらいかもしれません。
また、甲は妻に「殺さないよね?」と尋ねられており、殺人の故意も否定できる余地があるのではないでしょうか。

ということで、傷害罪が成立すると思われます。

甲の妻の「嘘をついた行為」「見守っていた行為」に何か犯罪が成立するか

「元プロボクサーの夫が激高し、相手の弁護士を殴るところまでは予想できたでしょうし、実際に殴った点に着目すれば、妻自身の傷害罪も考えられなくはありませんが、妻がそう仕向けたという証拠や自白がない限り、罪には問えません」(山口宏弁護士)

妻がきっかけなのに、なんだか腑に落ちませんね。

私は、「嘘をついた行為」になんら罪は成立しないとは思いますが、「見守っていた行為」には傷害罪の不作為の幇助が成立するのではないかと思っています。

幇助行為の態様に制限はありません。
判例では、夫が子供に暴行を加えるのを止めず子が死亡した場合に、母親がこれを制止しなかったという事案で、母親が夫の暴行を阻止することは著しく困難だったとはいえないとして、傷害致死罪の不作為の幇助を成立させています。

不作為の実行行為が認められるためには、①作為義務があり、②その作為が可能・容易であり、③これにより当該不作為が正犯の行為を容易にしたといえれば不作為による幇助が成立すると考えます。

本件では、①その場に居たのは、甲と妻とVだけであり、甲の行為を止められるのは妻だけであったという事情や、今回の事件のきっかけとなる「嘘をついた行為」を先行行為として法益侵害に向かう因果の流れを設定したといえそうなので、妻の「甲の行為を制止する」という「作為義務」は認められるように思えます。

②確かに、甲は事前準備を入念にしており、行為をするつもり満々ですので、甲の行為を制止するのは至難の業でありそうにも思えます。
しかし、甲の犯意は妻が強姦されたと考えているところにありますので、その妻が甲の行為を制止することは可能・容易であるといえそうです。
警察へ電話をかけることも容易ですしね。

③そして、妻が制止しなかったことや、暴れなかったこと、さらには警察へ電話をしなかったことにより、切断行為を容易にしたといえるため、不作為による幇助は成立するのではないでしょうか。

みなさんはどう思われますか?

法律以外の問題点

切り取られた局部は、治療で再生可能なのか。

千葉県我孫子市の「メンズあびこ駅前クリニック」の石川勝也院長は、「女性が性転換するときに行うような再生手術になる」と話す。再生手術では、本人の腕や肩、腹部や大腿の皮下組織を含めた皮膚を、失った部分の根本に血管をつないで移植する。同様に神経もつなぐことができれば、性交渉も可能だという。ただ、神経をつなぐのはかなり困難で、成功例はごくわずかしかない。

また性交渉には、局部にある程度の硬度が必要になるため、胸の中心にあって柔軟性が高い肋軟骨などを移植することもあるという。見た目を完全に再現することは難しいという。

このニュースブログをはじめようと思ったきっかけ

わかりやすくまとめる力を養成するため(特に民訴の判例の要素のまとめ等)にチャレンジするものです。

なお、勉強の支障になる恐れがあるため、記事を書く制限時間は30分。
間に合わなかったものは、次の日へ繰り越しです。

まぁ、つまり。
やはり一度記事を書いてしまったら、今後も書きたくなるやつなんです、前田は。

ええ、ダメな奴なんです、すみません。

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コメント

  1. ゆうと より:

    更新、地味にチェックしてます♪
    いつも楽しく読ませて頂いてます*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)’・*:.。. .。.:*・゜゚・*

    1. koala より:

      ありがとうございます(*’ω’*)
      なかなか更新できていなくてすみません!

      前ゆうとさんにメールしたアドレスが、何故か全く届かなくなって機能しなくなってしまったので、新しいメールアドレスでまた送りますね><
      すみません!

  2. ゆきびっち より:

    良いまとめ。

    法律知らなくても読みやすい。

    これからも期待してます。

    1. koala より:

      ありがとうございます(*’ω’*)
      受験に専念していて、なかなか記事が書けませんが、自分の好きなように好きなペースで、好きなこととしなければいけないことを両立していきたいと思います!

  3. roko1107 より:

    はじめまして。
    「あぐら物語日記」のrokoと申します。

    こちらの記事を当ブログにて紹介させていただきました。
    お知らせが遅くなりましたが、不都合な点がございましたらご指摘いただけると助かります。

    この度は参考になる記事を書いていただき、誠にありがとうございます。

    コメントからみる「弁護士局部切断事件」(第3回・4回公判)(*^_^*)
    http://roko1107.blog.fc2.com/blog-entry-3428.html

    1. koala より:

      大丈夫です大丈夫です!
      少しでもお役に立てたならよかったです(*’ω’*)

      また何か事件について書けたら書きたいです。
      コメントありがとうございました!

      1. roko より:

        KOALAさま
        当ブログにまでコメントありがとうございます。
        感激です。

        ぜひ、事件について記事を書いていただけたら嬉しいです。
        こちらこそコメントありがとうございました!

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